1.抗Ste13抗体を用いたSte13蛋白質機能の解析 GSTもしくはMalEとSte13との融合蛋白質を大腸菌で大量発現させアフィニティーカラムにより精製した。この精製蛋白質を抗原にしてウサギを免疫しポリクローナル抗体を取得した。分裂酵母細胞より調製した蛋白質に対してウエスタンブロットを行ったところ、予想通り約58kDaの蛋白質が検出された。Ste13欠失変異株の抽出液にはこの蛋白質が認められないので、この抗体はSte13蛋白質を特異的に認識することが確認できた。また、種々の条件で培養した細胞からの抽出液を用いてウエスタンブロットを行ったところ、Ste13蛋白質は栄養成長条件でも存在し、有性生殖条件下で増加する傾向は認められなかった。 この抗Ste13抗体を用いて間接蛍光抗体法を行いSte13蛋白質の細胞内局在を調べたところ、主として細胞質にあることが分かった。さらに、パーコール密度勾配遠心による細胞分画とウエスタンブロットにより、この結論を確かめた。 2.多種酵母におけるSte13類似遺伝子の検索 Ste13蛋白質の保存された領域のアミノ酸配列からPCRプライマーを作成した。出芽酵母のゲノムDNAを用いてPCR増幅を行ったところいくつかのクローンが単離され、現在解析を続けている。
|