1)オオハネモのピレノイドのペプチド組成と酵素活性 オオハネモのピレノイドの微量成分を電気泳動により分別し、アミノ酸配列を調べ同定した。ピレノイドにはRuBisCOの大サブユニットのいくつかの変異体が含まれていることと、周囲のデンプン粒にはデンプン合成酵素が含まれていることが明らかになった。 2)オオハネモのRuBisCOの大サブユニット遺伝子の塩基配列 RuBisCOの大サブユニット遺伝子(rbcL)の全配列を明らかにした。rbcLは1425の塩基対を持ち、475のアミノ酸をコードしていたが、ほぼ中央部に約2500対の大きなイントロンを持つことが特徴で、しかもその中に意味のある配列を含んでいた。このイントロンがm-RNAのスプライシングやRuBisCOの発現に何等かの寄与していることが示唆された。 3)オオハネモのrbcLの発現 (1)明暗条件による、m-RNAへの転写の制御 明条件による光合成活性の促進の原因の一つにRuBisCOの合成促進が考えられる。オオハネモの藻体を1時間光照射した直後にm-RNAを抽出し、2つのエクソンと1つのイントロンをプローブとしてノーザンハイブリダイゼイションをおこなった。暗条件のものと比較すると、明処理で、RNAの発現量が多かった。イントロンのオープンリーデイングフレイム部分も発現することから、この部分がrdcLのプロセシングを通じた、制御に関連している可能性が高いことが示唆された。 (2)rbcLのin vitro発現 イントロン部分とrbcL全体を発現ベクターに取り込み、宿主の大腸菌に組み込み、形質転換したところタンパク質の合成が得られた。
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