研究課題/領域番号 |
03640614
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
松本 二郎 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (80051241)
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研究分担者 |
広瀬 裕一 慶應義塾大学, 法学部, 嘱託
秋山 豊子 慶應義塾大学, 法学部, 助教授 (30118898)
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キーワード | トラススジェニックメダカ / チロシナ-ゼ遺伝子 / メラニン形成 / メラノフォア(黒色素胞) / メラノソ-ム |
研究概要 |
初(平成3)年度の研究から(1)マウスチロシナ-ゼ遺伝子を緋メダカ(bbRR)の受精前核に微量注入すると約4.5%の頻度で野生型の色斑を示す個体が発現すること、(2)この個体(♀)を緋メダカ(♂)と交配すると約1:1の比で野生型と緋メダカ型(皮膚に黒色素胞を欠く)の個体が発現すること、(3)メダカに導入されたマウスチロシナ-ゼ遺伝子は“Amelanotic melanophore"で特異的に発現し黄色素胞では発現しないこと、(4)免疫組織化学法によって、トランスジェニックメダカの黒色素胞にマウス型チロシナ-ゼの発現が確認されたこと、(6)マウスチロシナ-ゼ遺伝子導入によるメダカ色素胞でのメラニン沈着は格子状の顆粒内構造として認められ哺乳類の真性メラノソ-ム型をとるものがあることが解明された。 これらの成果は、導入したマウスチロシナ-ゼ遺伝子がトランスジェニックメダカの特定の組織で発現していることを示しており、このことからマウスチロシナ-ゼ遺伝子の制御領域は進化水準の異なる動物種でも細胞特異的に識別することができ、発現した転写領域の産物(チロシナ-ゼ)は細胞自体の種差に拘らず遺伝的に規定される分子構造に応じてメラノソ-ム内に沈着することを強く示唆したと見なされる。
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