研究概要 |
本研究では、初期の目的を取り込んで、より大きなスケールで研究を展開するために、パーソナルコンピューター(本研究費で購入)、画像取り込み装置、画像処理ソフトウェア、学内LAN,名古屋大学大型計算機センター、光磁気ディスク電子ファイリングシステム、名古屋大学古川総合研究資料館などを有機的に結んだ放散虫画像データベース、およびその解析システムの構築を目指して研究を行った。時間不足のため、本研究の初期の目的であった化石放散虫の画像処理による系統進化という点では大きな成果をあげるにはいたらなかったが、微化石の画像処理について、次のような問題点がうきぼりになった。 1.微化石は、その個体数、種数が大型化石にくらべ、非常に多いので、画像データを蓄積するのに膨大な記憶媒体が必要となる。本研究では、パーソナルコンピューターとLANで結ばれた名古屋大学大型計算機センターの共用ファイルを記憶媒体として考えていたが、画像データの処理にマッキントッシュパーソナルコンピューターを用いたため、フォーマットなどの問題があり、使いやすいシステムとはならなかった。 2.画像データのうち数値化できるもの(例えば、殻の直径、スパインの直径や長さ)については、統計的処理になじみやすいが、数値化の難しい要素(例えば、殻上のポア、コスタ、リッジの形態や配列)は、数値化するよりは、コンピュータースクリーン上に同時に表示し、人間の目で比較した方が、その特徴をとらえやすい。 また、本システムを使って、環太平洋造山帯(ロシア極東地域)、アルプス-ヒマラヤ造山帯(パキスタン)、および両者の接点であるインドネシア地域の放散虫生層序学的研究を行った。得られた成果は裏面の雑誌論文を参照されたい。
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