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1991 年度 実績報告書

九州西方海域における過去2万年間の海洋環境の変動

研究課題

研究課題/領域番号 03640657
研究機関熊本大学

研究代表者

尾田 太良  熊本大学, 理学部, 助教授 (60108454)

研究分担者 岩崎 泰頴  熊本大学, 理学部, 教授 (40013750)
キーワード浮遊性・底生有孔虫 / 九州西方海域 / 氷期・間氷期 / 海水準 / 海洋古環境
研究概要

氷期および後氷期における海洋底の古環境の復元を目的として、九州西方海域(八代海)の現生底生有孔虫の分布パタ-ンを、30地点の海底表層堆積物試料をもとに予察的に調査した。生体と遺骸を含めた全体底生有孔虫群集は、85属194種鑑定できた。そのうち優勢な12種の分布パタ-ンを基に八代海を以下の5つの海域に区分することができ、それぞれの海域は、底質、塩分濃度、海水の流れのパタ-ン、そして水深といった環境要因に大きく影響を受けていることが示唆される。東部海域:Trochammina inflata,Ammonia beccariiが優勢種。この海域は球磨川,水俣川,米ノ津川から流入する淡水の影響が大きい。北部海域:Quinqueloculina vulgaris,Elphidium crispumが優勢種。この海域は、内湾性の泥底により特徴づけられる。中央海域:Florilus Japonics,Pseudonoion grateloupiおよびPseudorotalia gaimardiiが優勢種。この海域は外洋水の影響下にある。南部海域:Bulimina denudataが優勢種。この海域は、八代海で最も水深が深い。西部海域:Textularia conica,Cibicides refugens,Cibicidoides pseudoungerianus及びEponides refandusが優勢種。この海域は海峡部で、最も外洋水の影響が強い。
また、八千海において、音響探査による海底面下の地質構造の観察と海底堆積物の柱状の試料を3本採集した。それぞれの試料に対して、軟X線による堆積構造の観察、含水率、含泥率、密度、帯磁率の測定を行った。さらに同位体、テフラによる時間面の設定、および、微化石、花粉分析による堆積環境の復元に関しては、現在検討中である。帯磁率の精密な測定結果により、柱状試料間の対比が可能になった。
東シナ海より採取した柱状堆積物中の浮遊性有孔虫の処理を行ない、時間的な群集の変化についての検討を現在行なっている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小林 万里子: "九州西方海域(八代海)の底生有孔虫群集の予察的研究" 熊本大学理学部紀要. 13. 14-26 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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