研究概要 |
平成4年度は主として高圧含水珪酸塩鉱物についてダイヤモンドアンビル高圧セルを用いた高圧下でのX線回折実験を行った。 1. 17 GPa 1000 度Cの条件下で合成された Superhydrous phase B,Mg_<10>Si_3O_<14>(OH)_4につきダイヤモンドアンビル高圧装置で加圧し、高エネルギー物理学研究所放射光実験施設のビームラインBL-10Aの垂直型四軸 X線回折装置を用いて結晶構造に及ぼす圧力の影響を6.3 GPaまで調べた。 2. 17 GPa 1000 度Cの条件下で合成された Phase F,Mg_3._3Si_5._5H_7._4O_<18>,の微小結晶(24ミクロン)につき高エネルギー物理学研究所放射光実験施設のビームラインBL-10Aの垂直型四軸X線回折装置を用いてX線回折強度の測定を行い結晶構造の解析を行った。 3. CaF_2型結晶構造の a-PbCl_2型への圧力誘起相転移を調べるため、fluoriteにつき9.0 GPaまでダイヤモンドアンビル高圧装置で加圧し、高エネルギー物理学研究所放射光実験施設のビームラインBL-10Aの乗直型四軸X線回折装置を用いて結晶構造に及ぼす圧力の影響を調べた。 4. CaCO_3は常温で加圧すると1.4 GPa と1.7 GPaで各々calcite II, calcite IIIに相転移することがBridgman (1939)によって見いだされている。 Calcite IIの結晶構造はMerrill and Bassett (1975)により決定されたが、calciteIIIについては、その結晶構造のみならず晶系や空間群も不明であるため、本研究ではその解明のため実験を行った。 Calcite,CaCO_3の単結晶をダイヤモンドアンビル高圧セルで3.5 GPaまで加圧しMoKaの特性X線を使用してX線写真をプリセッションカメラで撮影し解析した。
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