研究概要 |
平成5年度は上部マントルの主要構成鉱物である輝石の一つであるhedenbergiteについて、その結晶構造におよぼす圧力の影響とMgとFeの置換の関係、マントル中で水を保持して存在する可能性の高い含水高圧珪酸塩鉱物superhydrous phase Bとphase Fの結晶構造と構造におよぼす圧力の影響を調べた。 Hedenbergite,CaFeSi_2O_6の単結晶(大きさ130×83×60ミクロン)をダイヤモンドアンビル高圧セルで6.3GPaまで加圧し、放射光と四軸自動回折計で調べた。Diopside,CaMgSi_2O_6と較べると、MgをFeで置換すると体積弾性率が増加する傾向が見いだされた。 Superhydrous phase Bの単結晶をダイヤモンドアンビル高圧装置で6.3GPaまで加圧し、高エネルギー物理学研究所放射光実験施設のビームラインBL-10Aの垂直型四軸X線回折装置を用いてX線回折強度の測定を行い結晶構造におよぼす圧力の影響を調べた。また格子定数の圧力変化から体積弾性率を求め、K_<0T>=145 GPaを得た。これはforsterite,Mg_2SiO_4の値より約12%大きい。 17GPa、1000度Cの条件下で合成されたphase F,Mg_<3.3>Si_<5.5>H_<7.4>O_<18>(super-hydrous phase Bと共存する)の超微小結晶(24ミクロン)につき高エネルギー物理学研究所放射光実験施設のビームラインBL-10Aの垂直型四軸X線回折装置を用いてX線回折強度の測定を行い結晶構造を解析し決定した。
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