研究概要 |
上記の研究課題を交付申請書に記載している「研究目的・研究実施計画」に従がい実施した結果、以下の様な新たなる知見を得た。 1.サンプルからの無汚染の酸素同位体の2次イオンを得るために、銅又は金の1次イオンを用いる新しい2次イオン質量分析装置を試作した。 2.酸素の2次イオンのうち、質量数16と18のもとには妨害となる分子イオンが存在しないことを確認した。質量数17の質量スペクトルには ^<16>OH^-の分子イオンが妨害スペクトルとして存在していた。この分子イオンを分離する分析法を完成した。 3.2次イオン質量分析に伴う同位体質量分別効果を補正する標準物質を作成した。 4.アレンデ隕石中の白色包有物の主成分元素の分布をEPMAによる定量マッピングにより可視化した。それにより白色包有物の結晶成長の様子を決定した。 研究計画では1〜3による分析法の完成と4の結果に基づき,白色包有物の紘物内の酸素同位体比分析と開始することになっていた。しかしながら,現時点では実際の隕石分析への応用はなされていない。本研究は、2ケ年に渡り申請されているので,現時点におけるこの計画の遅れは来年度においてとり戻せるものと確心している。 来年度の計画を申請書どおりに実施するが,本年度におけるこれらの新たな知見を充分にとり入れ,よりスム-ズに実施できる様,方法を吟味していく。
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