研究課題/領域番号 |
03650022
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
植草 新一郎 明治大学, 理工学部, 教授 (10061970)
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研究分担者 |
松本 皓永 明治大学, 理工学部, 助手 (50062005)
岡 栄一 明治大学, 理工学部, 教授 (00061953)
冨澤 一隆 明治大学, 理工学部, 教授 (80110980)
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キーワード | 希土類 / III-IV族半導体 / ルミネッセンス / エネルギー伝達 / ELデバイス / 発光ダイオード / レーザーダイオード |
研究概要 |
III-IV族化合物半導体を母体とした希土類添加高輝度発光素子の実現のために、母体材料や製作方法を変えて縦型LPE法で製作した試料との比較検討を進めた。また、適切な希土類化合物や高純度化した希土類を用いると共にイオンインプランテーションなどの不純物制御技術を利用して、フォトルミネッセンス(PL)やエレクトロルミネッセンス(EL)の発光特性を測定し、母体の欠陥との関連の調べ、励起発光機構を明らかにした。さらに、比較のために母体にIV半導体であるSiも用いた。以下に得られた知見を示す。 1.LPE法で製作したInP:YbではYb^<3+>の波長1μmの発光が得られたが、GaAs母体においてはGaAs:YbPなどの化合物で製作する必要がある。この1μmの発光寿命時間は約13μsecであり、Yb^<3+>による発光であることが確認された。 2.熱拡散法で製作したInP:Yb,GaAs:Erでは希土類の発光は得られなかった。しかし、Si:ErではErの発光が得られたが、製作方法に強く依存した。 3.非熱平衡状態で不純物の導入ができるイオンインプランテーション技術を用いて、PLの発光特性を高めた。また、Inp:Ybでは励起発光機構を明らかにすると共に、母体の欠陥との関連も理解でき得るようになった。 (1)PL、ラマン散乱およびPLEスペクトルのアニール処理依存性を調べた結果、Yb^<3+>の発光と母体結晶の回復度に深い関連があることが判明した。 (2)InPの欠陥順位からYbへのエネルギー伝達効率が非常に高いことが明らかになった。 (3)Ybの発光特性は注入エネルギーには依存せず、ほぼ同一な傾向を示したが、その原因はYbの質量が極めて大きいためと考えられる。 (4)励起発光機構を明らかにした。
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