研究課題/領域番号 |
03650029
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
大井 みさほ 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40176821)
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研究分担者 |
小松 晴子 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (70225572)
並河 一道 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10090515)
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キーワード | X線パラメトリック散乱 / X線誘導ラマン散乱 / X線非線形光学 / 放射光X線 / NdYAGレ-ザ- / GGG / X線の偏光 / 位相整合条件 |
研究概要 |
強いレ-ザ-光で照射された誘電体結晶によるX線のブラッグ反射の位相整合条件を満足するすそ野に観察された強度増大がレ-ザ-光によって誘導されたX線パラメトリック散乱であるかどうかを検証する実験を行なった。水平軸回しの二軸ゴニオメ-タ-(副軸サ-キュラ-テ-ブル)を用い、光学実験電上にX線とレ-ザ-光の光路が周一平面内にあるように実験系を組立てた。NdYAGレ-ザ-第三高調波を用い、X線のエネルギ-シフトを大きくとり、ブラッグ反射のすそ野のバックグラウンドの小さな領域で衛星反射の観察を行なおうとしたが、GGG試料による吸収が大きく、第三高調波の使用は後日吸収の少ない試料に対し行なうこととし、今回は従来通りGGGに対し第二高調波を用いて実験を行なった。レ-ザ-光の場を増大し、同時に試料の熱損傷を低くおさえる目的でパルス幅の狭いレ-ザ-パルスを発生させて用いた。この場合、ある程度以上レ-ザ-パワ-を上げないと幅の狭いパルスが得られないことがわかった。以上の準備の下で、高エネルギ-研放射光実験施設のマルチポ-ルウィグラ-(BL16)放射光を用いて実験を行なった。X/2板を用いレ-ザ-光の偏光面を回転し、X線とレ-ザ-光の偏光面が直交配置にある場合と平行配置にある場合の衛星反射の現われ方を比較した結果有為の差が観察されたが、統計精度は十分でない。観察したすべてのデ-タを重さね合せて統計精度を向上したところ、位相整合条件から期待される位置にブラッグ反射と同じ半値幅を持つ、バックグラウンドの6%程度の衛星反射が観察された。この大きさはブラッグ反射の0.3%に相当し、理論の予想と同程度である。今年度の研究によってレ-ザ-光によって誘導されるX線パラメトリック散乱の存在はほぼ確認された。X線に合わせてレ-ザ-光を発光させる同時計測およびレ-ザ-パワ-依存性の検証は今後に残された課題である。
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