研究課題/領域番号 |
03650036
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
星宮 務 東北学院大学, 工学部, 助教授 (40118336)
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研究分担者 |
星宮 望 東北大学, 工学部, 教授 (50005394)
淡野 照義 東北学院大学, 工学部, 講師 (50176004)
新卓 卓逸 東北学院大学, 工学部, 教授 (30146120)
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キーワード | 光音響 / 映像法 / ドライケミカル / 尿検査 / 定量分析 |
研究概要 |
本研究ではまず実験装置の綱良を行なった。平成3年度に備品として高速AO変調器、ロックインアンプおよびプリアンプを購入する事により、アルゴン・レ-ザ-光の変調周波数の上昇と検出系の高感度化が達成され、これらの装置によってAO変調器とコンピュ-タの結合による新しい方法論(ランダム変調法の採用による相関光音響分光法など)が可能になった。さらに呈色反応の早い変化にも十分対応できるようにするため、光音響セルをはじめ種々の改良を行ない、この結果研究の目的に最適な実験装置を構成することができた。 生体試料である尿と血液において、シミュレ-ションの容易な糖に研究の焦点を絞り、2種類の尿検査用紙(ウロヘマコンビスティックスーLとクリニスティックス)と血糖検査用紙(グルコスティックス)を用いた。 1)まずすでに退色特性がこれまでの研究で明らかになっているウロヘマコンビスティックスーLについては、ブドウ糖の水溶液の濃度は20〜2000mg/dlの範囲で変化させて比較的直線性の良い検量線を得た。最高感度は8mg/dLで、目視による検査の感度より1桁程度感度を向上させる事ができた。(低濃度域では呈色反応を起こさない検査用紙をリファレンスにして差分処理を行なうダブル・ビ-ム方式を併用した。) 2)もう一つの尿糖検査用紙であるクリニスティックスに対しては、呈色反応の反射スペクトルの時間変化を分光測定した結果、退色とは逆に時間経過とともに呈色反応の着色の度合いが強くなることが明らかになった。 これらのデ-タ-は今後測定に最適な時間を設定したりするために有用なデ-タ-として用いられる。なお、上記の研究成果は文献[1〜3]に示す様に、京都において開催された医学物理学・生体工学国際会議、および超音波エレクトロニクス・シンポジウムで公表されて、多くの研究者に新しい方法論として提示された。
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