光通信や光情報処理に有効な並列処理分野で期待される受動型光学部品として量産制を見込みやすいリソグラフィ技術に立脚したマイクロフレネルゾ-ンプレ-トを中心に次のような諸点での研究を行った。 (1)斜入射配置型多分岐リニアゾ-ンプレ-トアレイマスクの設計:空間分割型で集束機能を持つリニアゾ-ンプレ-トアレイを組み合わせて2Dスポットアレイを構成し、高効率多分岐微小光学素子として有望なリニアゾ-ンプレ-トアレイマスクの特性を光線追跡法により解析し、具体的な数値を用いて最適設計を行った。 (2)光多分岐リニアゾ-ンプレ-トマスクの試作:設計に基づいて現有のHeーCdレ-ザ(λ=325nm)を光源とするホログラフィ法とケミカルエッチング法によりリニアゾ-ンプレ-トアレイを試作し、波長変換による収差の除去の為の試作条件の検討を加えた。 (3)深紫外リソグラフィ法による試作と高効率化:現有の重水素ランプを光源として利用したリソグラフィ法によりラメラ形状格子での高効率化をめざした転写条件の検出と同一基板上へ直交したゾ-ンプレ-トによるアレイ化をめざした。 (4)試作光多分岐リニアゾ-ンプレ-トアレイの特性評価:半導体レ-ザを光源とする測定系により効率、光強度分布、結像スポット径などの基礎特性をビデオカメラを用いた現有の光学系で測定・評価し、試作条件のフィ-ドバックをはかることによって、光学素子と直交リニアゾ-ンプレ-トアレイによる円形スポットの最適化を図った。 これらの研究の成果を1991年8月のSPIE及び10月及び3月の応用物理学会にて発表した。また、ガラスレ-ザによりA1タ-ゲットを用いたプラズマを励起し、軟X線リソグラフィ法による回折格子型素子作成用装置の検討と設計を行い、より高性能、高機能性を持つ斜入射配置型光回路分岐素子作成のための試作実績を開始した。
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