研究概要 |
橋梁を通行する船舶の調査については,日本における橋梁は近及び架橋計画海域における船舶の通行状況について調査を行なった。国内という制約から適切な架橋における調査とはなっていないが,長崎港,北九州人工島架橋などに対する計画や隅田川の各橋梁における通行状況について調査した。 橋梁付近での船舶通行シミュレーションについては,風や潮流の影響を考慮した船体運動方程式をたてて計算を行なった。風や潮流は橋脚周辺で変化するが,その変化した風や潮流により船体に及ぼす力について実験式をたて,シミュレーション計算の中に導入した。これにより方向や速度を様々に変化させた風や潮流の複合した条件に対して橋脚付近を通行する船舶のシミュレーション計算が行なえた。 このようにして導かれたシミュレーション計算を行った結果,橋梁付近の水路に対して換船上の問題点が指適できた。その一つは橋梁の近くで水路に変針点があることは好ましくないことである。これは事故例解析からも言える結果となっており,事故例解析とシミュレーション計算の両方から導かれた結果といえる。このように過去における事故例の解析とシミュレーション計算による結果とが結び付く結果が得られたことはこのようなアプローチの有効性を示す一つの知見ともなっている。 今後さらに危険性を示す限界値などについて厳密に考察するためにはさらに実際に合わせた換船モデルなどを導入する必要がある。
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