研究概要 |
高輝度レ-ザ-システムの配置、定常運転に向けた準備を完了した。レ-ザ-パルスのパルス幅5〜10ピコ秒,レ-ザ-エネルギ-200mJ程度が再現性良く得られる。次年度は本システムをさらに改良し、レ-ザ-パルスを集光照射タ-ゲットチェンバ-内に導き照射強度10^<16>W/cm^2を得る予定である。一方、X線輻射過程の研究に用いるX線分光器はフィルム検知とともにMCPリニアアレイセンサ-を用いたシステムも使用可能となっておりパルス幅30ナノ秒のレ-ザ-を用いたX線スペクトル測定が定常的に行なえる状態になっている。X線の絶対量(光子エネルギ-)を測定するため絶対感度特性の評価されている直入射透過型回折格子分光器と分解能の高い反射型回折格子分光器を同時に用いてレ-ザ-プラズマからの線輻射X線の測定を行なった。タ-ゲット物質を数十種類にわたり変化させて測定したX線放出強度は11.研究発表覧に上げた文献(Journal of Applied Physics,投稿中)にまとめられている。 次年度は平成3年度完成予定のレ-ザ-パルス幅ピコ秒の固体レ-ザ-システムと高分解X線分光装置を用いてピコ秒高輝度レ-ザ-光と各種タ-ゲット物質の相互作用を実験的に調べてゆく。それと同時に阪大レ-ザ-研にて開発済のプラズマ中の原子過程をモデル化したレ-ザ-プラズマ解析用計算機シミュレ-ションコ-ドによる計算結果との比較対比を行なう。測定されるX線スペクトル、電離バランスとプラズマ電子温度の関係等はこれまでのナノ秒レ-ザ-、または低強度レ-ザ-とはまったく異なったものになることが予想され興味深い。また超短パルス高輝度X線源としてのシステム的考察を行ない次のステップへの礎とする。
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