研究概要 |
数値計算では三次元MAC法の経験を生かし国内では適用例の少ないリ-マン幾何による方法がまず楕円柱:2次元翼型に適用が試みられた.この方法は平成2年度に西川の指導で阿部が修士論文で円柱に用いて実験と良い一致を得たが楕円柱では現状では良い結果は得られていない.この原因は初期試行値が巧妙に選ばれないと良好な計算を進行させないことにあると思われる.そのため2次元MAC法の適用を今年度は行なって楕円柱については物体背後の剥離,波状壁について表面粗さ効果などが説明できるよう試みた.波状壁については盛りあがり背後の逆流領域の中に壁に付着した2次渦が示された.また平板上に2山の波状盛りあがりがある場合は1山より背後の流速が落ちず下流に渦が伸びる事も確認された. 一方,実験の主な目標は逆流領域や乱流領域の速度計測におき,レ-ザ-フアイバ-流速計を用いた.今年度は矩形断面の直管の流速分布が測定された.また多点の同時刻の速度デ-タが得られれば渦構造が正確に分かる.その目的および既述の流線パタ-ン認識のために連続画像処理を用いる.即ちこの画像はPIV(Particle Image Velocimetry)計測のデ-タ処理プログラムで処理された.今後度は複数画像間の粒子位置の座標デ-タ化はマウスに依在したが自動化にも着手している.以上の速度計測は管断面の渦が流動抵抗を増大させてしまう好ましくない事の原因の定量的解明にも用いた.圧力降下が微小な管のねじれや管のつなぎ目の微小な食い違いに影響されることも速度デ-タにより解析中である.可視化画像を得るためのトレ-サ-としては直径100ミクロンのポリエチレンビ-ズを用いたが高分子液や染料も試行中である.
|