研究概要 |
試験体に使用すコンクリ-ト,鋼,アルミニウム材料の比熱,熱伝導率や放射率を求めるための標準試験片を作成し、常温より200℃の範囲内でのデ-タを求め,解析にあたっての基礎資料とした。また,試料の方向を調整可能な可変微動装置の試作を完了して,任意の方向よりの反射を含む放射率である指向性放射率の計測を開発した。 金属材料表面に1〜数mmで巾および直径が0.5〜3mm,かぶり深さ0.5〜5mm程の線状および点状の人工内部欠陥を,レ-ザ-およびワイヤ-カット法で試作した。この試料の表面に,黒色ペイントを一部塗布し,裏面より電気加熱器で加熱し,反射を配慮に入れた放射エネルギ-を赤外線映像装置で計測し,試料温度と反射を含む放射率の間の関係を求めた。 また,上記の試料について安定した温度場の下での,表面欠陥部の放射温度の上昇分を求め,深さと巾の値により,この値がどの程度の影響をうけるかを明らかにするための実験を行い,表面に存在する欠陥の識別限界に関する系統的資料を求めた。 試料表面に熱流束として2〜3w/cm^2程の放射エネルギ-をステップ状に入射することの可能な反射鏡のついたランプを用いて,基礎実験として,薄肉の酸化した鋼板に熱エネルギ-を入射し,表面の2次元の温度上昇の分布を求めた。また,試料に入射する熱エネルギ-の2次元分布を計測し,入射熱流束分布を測定し、その均一性に関する特性を求めた。この加熱装置を用いて,内部欠陥つき試料の検山限界を明らかにするための実験を開始した。 実験の成果を一連の学会に報告した。
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