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1993 年度 研究成果報告書概要

構造用セラミックスの曲げ強度に及ぼす研削変質層の影響

研究課題

研究課題/領域番号 03650111
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 機械工作
研究機関大阪府立大学

研究代表者

田中 芳雄  大阪府立大学, 工学部, 教授 (60081246)

研究分担者 水谷 勝己  大阪府立産業技術総合研究所, 主任研究員
研究期間 (年度) 1991 – 1993
キーワード構造用セラミックス / 曲げ強度 / 研削 / 残留応力 / 相変態 / き裂 / 有限要素法 / 砥粒切込み深さ
研究概要

構造用セラミックス(Al_2O_3,SiC,Si_3N_4,ZrO_2)の曲げ強さに及ぼす研削加工変質層の影響について調べ、次の結果を得た。
(1)研削表面層に圧縮の残留応力をもたらす砥粒のバニシング作用は、材料除去時の破砕規模が増大するにつれて減少する。この結果、圧縮の残留応力は曲げ強さが大きい材料ほど大きく、また硬さが大きいものほど小さい。
(2)研削時の砥粒のバニシング作用は球圧子の材料への押し込み作用から類推されるので、後者の作用による塑性変形域の大きさから圧縮の残留応力の存在する深さが推定できる。
(3)X線応力測定法によって得られるセラミックスの圧縮の残留応力は、その最大値が存在する深さがX線の有効侵入深さに比べて一般に浅いために、実際の最大値より小さい値となる。
(4)研削成形品の曲げ強度の劣化の程度は、き裂進展や相変態の影響を受け、材料の破壊靱性や相変態能に依存して異なり、Si_3N_4とZrO_2とを比べると前者は後者に比べて劣化の程度は大きい。
(5)Si_3N_4の研削成形品を焼鈍することによって、曲げ強度をかなり回復することができる。このことから、焼鈍によって圧縮の残留応力がなくなる不利さを、き裂の閉口効果が補っていると考えられる。また、ZrO_2では焼鈍によってかえって、曲げ強度が低下した。
(6)有限要素法により求めた、球圧子の材料への押し込み時に発生する弾塑性応力から、材料にき裂を発生させずに塑性変形を行わせる圧子径、押し込み荷重が存在することが明らかになった。このことは、強度劣化を生じさせずに研削加工できる可能性を示している。
(7)研削時の砥粒切込み深さを統計的に求める手法を提案した。これを用いることによって、研削によるき裂進展、残留応力をより正確に評価することができるようになると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 村田一夫、水谷勝己、田中秀雄: "セラミックス研削加工面残留応力の大きさと存在深さに関する材料除去現象をもとにした一考察" 材料.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 村田一夫、水谷勝己、田中芳雄: "セラミックスの多数圧子押し込み面残留応力-表面残留応力の大きさに対する材料硬さの役割およびX線侵入深さの影響-" 材料. (掲載決定).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 西岡隆夫、田中秀雄、山川 晃、三宅雅也: "統計的手法によるセラミックス研削機構の一考察" 日本セラミックス協会学術論文集. (投稿中).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] K.MURATA,K.MIZUTANI,Y.TANAKA: "An Approach to Residual Stress in the Ground Layr of Ceramics from Material Removal by Grinding" J.SOC.MAT.SCI., JAPAN. 41-464. 624-630 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] K.MURATA,K.MIZUTANI,Y.TANAKA: "Residual Stresses of Multi-indented Surface of Ceramics-Contridution of Hardness to the Stress and Effect of X-ray Penetration Depth onbthe Stress Measurement-" J.SOC.MAT.SCI., JAPAN. (Accepted).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] T.Nishioka, Y.Tanaka, A.Yamakawa, M.Miyake: "Statistical Analysis for Grinding Mechanism of Fine Ceramic Material" J.Cer.Soc., JAPAN. (submitted).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-03-16  

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