研究概要 |
(1) 人間の肩を五つの回転対偶で置き換えた6自由度の腕モデルを提案し,各関節角変化量の重み付き二乗和を評価量としてそれを最小にするような動作シミュレ-ションを行ったところ,人間に類似した動作を実現できることが分かった. (2) 力学的状態変数の円滑化の手法として低域通過フィルタをとりあげ,速応性と振動特性の最適化をはかったところ,この円滑化変換は,ガウス関数によるたたみ込み積分になり,同時にパタ-ン認識におけるぼけ変換に一致することが分かった. (3) この円滑化変換に,さらに波形の打ち切り,時間伸縮,原点シフト,および空間伸縮の操作を施すための手法を示し、具体的に人間形腕モデルの角関節入力変位の円滑化に適用することにより,運動学的に明確な意味を持つ滑らかな動作を実現することができた. (4) 個々の関節の一次元位置決め動作について,角変位を正弦曲線および4次曲線で与えた場合とファジィ制御した場合の滑らかさを加速度により数値比較したところ,ファジィ制御では,前件部と後件部の設定の仕方によって滑らかさは大きく変わるが,動作開始・始了時よりも途中の定速部への移行時に加速度が大きくなる傾向のあることが分かった. (5) 1ル-プ空間機構について,負荷のかけ方,出力節両端に生じる二つの伝達係数の処理方法および出力節に作用する力モ-タの等価変換に検討を加え,又,複ル-プ機構については,一つの出力節に作用する複数の力モ-タの統合方法および途中節に発生する局所伝達係数の扱いに関して新たな提案を行い,多自曲度ロボットア-ムを含む一般の複ル-プ機構にも適用可能な伝達係数を定義,導出した.
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