• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

高周波焼入れ歯車の残留応力と負荷能力に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03650129
研究機関鳥取大学

研究代表者

小田 哲  鳥取大学, 工学部, 教授 (50032016)

研究分担者 宮近 幸逸  鳥取大学, 工学部, 助教授 (30157664)
小出 隆夫  鳥取大学, 工学部, 助教授 (60127446)
キーワード歯車 / 高周波焼入れ / 残留応力 / 曲げ疲労強度 / 歯面強度 / 電磁界解析 / 熱伝導解析 / 弾塑性応力解析
研究概要

本研究では,種々の直径の平滑軸に対して,有限要素法(FEM)による電磁界解析,熱伝導解析,弾塑性応力解析法を用いて高周波焼入れ(加熱・冷却)過程の温度および応力を求め,焼入れ過程の温度,応力および残留応力に及ぼす軸径の影響などについて検討を加えた.次に環状切欠き軸および切欠き底と同一断面の平滑軸に対して高周波焼入れによる残留応力の計算を行って,焼入れ過程の温度,応力および残留応力に及ぼす切欠きの影響について検討を加えた.その結果次のようなことが明らかになった.
1.高周波加熱によって平滑軸の表面温度が焼入れ温度に達する時間は,軸径の増加とともに長くなる.高周波焼入れ過程の軸中心の最高温度は,軸径の増加とともに高くなる.また加熱終了時の軸表面と中心部との温度差は軸径の増加とともに減少する.2.平滑軸の高周波焼入れによる軸方向および円周方向残留応力は,加熱電力が大きい場合には,軸径にかかわらずほとんど変わらないが,加熱電力が小さい場合には軸径の減少とともに減少する.また半径方向残留応力に及ぼす軸径の影響は小さい.3.高周波電流による切欠き軸の発熱量は,切欠き底付近および軸端部で減少する.4.高周波加熱によって切欠き軸の平滑部が焼入れ温度に達しても、切欠き底および軸端部の表面温度は,焼入れ温度よりかなり低い.5.高周波焼入れによる平滑軸の軸方向残留応力は,軸端部付近で急激に減少し,軸端において零になる.6.高周波焼入れによる切欠き軸の切欠き底付近の軸方向残留応力は,加熱時間が短い場合には平滑部に比べてかなり小さいが,加熱時間の増加とともに平滑部の残留応力に近づく傾向を示す.切欠き直近の平滑部の軸方向残留応力は加熱時間にかかわらず零になる.
なお歯車の高周波焼入れによる残留応力については,現在計算方法について検討を加えているので,今後計算を進め,残留応力,残留応力と疲労強度の関係について明らかにする.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 小田 哲: "Residual Stress Calculation of Case-Hardened Thin-Rimmed Spur Gear with Various Standard Pressure Angles" Residual Stresses-III Science and Technology. Vol.2. 1248-1253 (1992)

  • [文献書誌] 小田 哲: "高周波焼入れによる軸の残留応力に及ぼす加熱電力と周波数の影響" 日本機械学会講演論文集. 920-78Vol.E. 360-362 (1992)

  • [文献書誌] 小田 哲: "高周波焼入れによる丸棒の残留応力の計算" 日本機械学会講文論(C編). (掲載決定).

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi