1.鉛直管における旋回流空気輸送の実験を行った。実験装置は空気源、旋回流発生器、粒子供給器、内直径80mm、高さ12mの輸送管路、固気分離部及び反送管路からなる。旋回流発生器は輸送管入口部に置き、軸流固定案内羽根式で羽根角度の異なるものを3種類準備した。これによって旋回強度を変化させた。粒子は旋回流発生器の下流から供給した。 2.被輸送物は粒径、密度がそれぞれ異なるポリエチレン、塩化ビニール及びポリスチレンの各ペレットを使用した。 3.各粒子について、粒子の供給量、空気流量及び旋回強度を種々変化させて、旋回流発生器による損失を含めた輸送に要する全圧力損失、粒子による付加圧力損失、粒子の管内流動様式を測定した。 5.鉛直管では、圧力損失は直線流より全体的にすべての粒子について高くなったが、その差は低速になるにつれ減少し、逆転する可能性がみられた。一定輸送量において、圧力損失が最小になる空気速度は直線流の値より小さく、旋回が強いほど小さくなった。消費動力は、最小速度付近以下では直線流とほぼ同程度であるが、旋回流の最小速度が小さいので、粒子の破砕、管路の摩耗低減が可能になる。 6.水平管での実験とほぼ同じ条件に対して、管路全体について、旋回流空気輸送の3次元数値シミュレーションを行った。粒子運動は粒子間衝突、粒子と気流の相互作用を考慮し、気流については粒子の影響をソース項で考慮し、乱流はk‐εモデルを採用した。粒子の断面濃度分布、速度分布、軸方向平均速度変化、および気流の速度分布等を計算し、実験結果を満足に説明することができた。
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