研究概要 |
縦渦の崩壊の主たる特徴は,基本的な崩壊パターンにBubble,SpiralおよびDouble Helixの3通りがあること,崩壊は何れのタイプも渦軸上に突発的に発生すること,および変動速度には卓越した周波数があることである.この特徴を統一的に説明するために,縦渦のなかの不安定な波動型擾乱が成長して非定常な速度が誘起され,その周方向波数が崩壊タイプを決定する:この非定常な速度が,運動方程式の非線形項をとおして定常速度いわゆるStreamingを発生するという仮定のもとに理論モデルを提案した. 研究内容は以下のように要約される. 1.基本渦に波動型の微小擾を付与して,空間的線形安定理論により乱れの安定限界及び空間的成長率と角振動数との関係を求めた.さらに,変動速度の強さの分布を求めた. 2.運動方程式の非線形性のために作られる2次の大きさの時間平均速度(Streaming)を計算した. 3.得られた速度場を用いて流脈線を計算することにより流れをシミュれートし,可視化実験の結果と比較した. 4.管内旋回流を作り,LDVにより変動速度の時間平均値,卓越周波数及びその強さを測定した. 5.本理論モデルを実証するために,ピストン駆動型の擾乱発生に装置により種々の周波数,周方向波数の擾乱を流れに加え,周方向波数と崩壊パターンの関係が明確にすると同時に,渦崩壊を起こしている流れ場に波動型擾乱を加え,崩壊パターンのActive Controlを試みた.
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