研究概要 |
幅1m,長さ2.5mの平板にそって,主流速度8m/sの圧力勾配のない平板層流堺界層を作り,前縁から1.05m下流の平板の中心線上に1mmの直径の小孔を壁に垂直に開け,これから短時間ジェットを境界層に噴出して,層流斑点を作り,その下流発達を追跡することを行っている。 層流斑点の発達は斑点発生孔からのジェットの強さ,波形に影響されることが判ってきた。このジェットの波形は鋭い立ち上りのあと指数曲線的に緩やかに下っているスパイク状波形であるが,その半値幅を一定にし,波高だけを変えその影響を調べた。 ジェットの波高に比例するHsを3から5の範囲で変え,波形の再現性の良好なX(発生孔からの下流距離)=9.5cmまでの間で層流斑点の発達を調べている。実験方法は16本の熱線を主流と直角に壁と平行に,壁からの距離を揃えて,約2mmの中心間隔でZ方向(横)に並べた熊手型プロ-ブを使い,トリガ-により作られた斑点が熱線を通過する際の主流方向瞬間速度波形を集録する方法をとる。 プロ-プをZ方向に0.5mmとびに4回移動し,それぞれのZについてY方向に27トラバ-スし,YーZ断面を1728点で覆った。 熱線は16台の定温度線形化出力回路で驅動され,出力は既設の16チャネル集録装置により並列にAD変換され集録される。 波形の長さは512点で一つのXについてのデ-タ量は1,728k byteである。 デ-タからそれぞれのXについて,tl変えてYーZ断面等速線,またyを変えてZーt断面,Zを変えてyーt断面等速線を描き 層流斑点の下流発達を検討する。 その処理を行うため,パソコンに光ディスク装置とメモリ-を本研究費により講入し増強した。またそれに使うプログラムも一応完成し作動している。 ジェットの強さHs≒4を境にし,それより小さい場合は乱流斑点にならずに途中で減衰し,それ以上では乱流斑点にまで発達することが見い出された。 詳細は本年7月の乱流シンポジウムに発表を計画している。
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