本年度は研究の初年度であり、実トナ-の50〜100倍径の単一粒子の融解・凝固現象について主として研究した。 1.高分子ポリマ-としてポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルとポリメタクリル酸ノルマルブチルの共重合の粒子を使用して、キセノンランプの定常照射による溶融過程をCCDカメラによる観察を行い、粒子外形変形をイメ-ジディジタイザ-によりマイコンに取り込み画像処理することによって、時間変化を定量化した。画像処理した結果より局所曲率変化を含め外形変形を数量的に求めた。その変形挙動は、粒径や加熱量によらず、全般的に球形粒子から下半球の溶融による楕円形粒子へと変化し偏平になって凝固する。 2.時間と共に局所曲率変化は単調でなく、融解と共に表面に周期的な曲率変化が観察される。このように高分子ポリマ-の融解は表面張力との関係が強く、単調ではない。 3.溶融による変形前のレ-ザ-光による粒子赤道面における粒子内透過率の変化を測定し、透過率と温度との校正曲線より内部温度変化を測定した。粒径と加熱量によって時間変化速度等定量的変化に差はあるものの一般的に時間と共に透過率=温度は一定値から単調に増加し変曲点を有する。 4.二種類の分子量分布の高分子ポリマ-について実験した結果によれば、融解過程は強く分子量分布に依存する。 以上の結果より、ポリマ-の緒物性値を用い、〓射加熱の透過、吸収による融解過程の数値シュミレ-ションをジ年度において行う。
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