研究概要 |
地球環境保護の立場からタ-ボ冷凍機等の冷媒として期待されている代替フロンHCFCー123の熱力学性質の研究を実験的に行った。高精度測定を行うため現有の実験装置を一部改良した。改良したおもな点は次のとおりである。 (1)温度200℃までの範囲で化学的にも耐蝕性のある高圧弁として,ステンレス鋼SUS304の薄膜をパッキンの代りに使用したダイアフラム型高圧弁を新しく設計,製作して使用した。 (2)高圧測定を高精度で行うために,新しく空気式圧力計用ピストンシリンダ-を設備備品として購入し使用した。 小口は以上の改良された実験装置を使用し,また高石は現有設備を使用し次のような研究成果をあげることができた。 (1)小口は,飽和蒸気圧力を温度-30〜175℃の範囲で46点の実測値を得た。 (2)小口は,PVT関係を5本の等容線に沿って温度80〜200℃,圧力16MPaまでの範囲で35点の実測値を得た。 (3)高石は,臨界点近傍において飽和限界線を実験的に明らかにするために,密度534〜607kg/m^3の範囲で13本の等容線に沿って温度と圧力の関係を実測した。またその結果から飽和限界線上の密度と温度の関係を臨界点近傍で明らかにした。 (4)小口,高石は共同でHCFCー123の熱力学性質に関する大献収集を行った。 以上のように本年度の研究計画を目標どおり終了したが,さらに高精度の実測値を蓄積するため,次年度も実験を継続する。
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