研究概要 |
地球環境保護の立場からターボ冷凍機の冷媒、保温材の発砲剤等として期待されている代替フロンHCFC-123(CHCl_2CF_3)の熱力学性質の研究を,平成3年度に引きつづき実験的に行った。 実験装置に次の3ヶ所の改良を行った。 (1)PVT関係実験装置の高圧弁から真空状態において漏れが生じたので、新たに設計した。 (2)臨界点近傍におけるPVT関係の精密測定のため,試料容器の高さを抑えた新しい構想による実験装置を製作した。 (3)臨界点近傍における飽和限界線の決定装置で当初の精度が得られないことがわかり,改良を行った。 小口・高石は以上の改良を施し,研究計画に沿って実験研究を行い,次のような研究成果を修めた。 (1)飽和蒸気圧力の測定を150〜180℃の範囲で行った。 (2)PVT関係については,密度280〜1315kg/m^3の範囲で合計7本の等容線に沿って実測値を得た。 (3)臨界点近傍における飽和限界線に沿ったPVT関係を実測するため実験精度を向上するために実験装置の一部を改良したが,その装置で飽和蒸気圧力を測定し実験装置の再現性と精度を確認した。 (4)臨界点近傍のPVT関係精密測定のため試料容器の高さを抑えた新しい構想による実験装置を製作し,その装置で飽和蒸気圧力を測定し実験装置の再現性と精度を確認した。 (5)実測値に基づいて,状態式の作成について検討を行った。 (6)研究成果の一部をFluid phase Equilibria誌に公表した。 以上のように本年度の研究計画をほゞ目標どおり実施した。
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