研究概要 |
空気圧縮機,空気タンク,流量調節バルブおよびノズルからなる空気ジェット系の構築を行い,得られる空気ジェットを片持ち支持された柱の先端に取り付けた平板状アタッチメントへ衝突させることにより,ロイト力型の非保存力を創生させることに成功した。 種々の非保存度を実現することを目的として,平板状アタッチメントの表面の凹凸を変化させる材料を種々試行錯誤的に試験した。試験の結果,ナイロンタワシ,カ-ペット,くつの内底などの不織布を用いると,非保存力が創生できることがわかった。メッシュの大きい不織布を用いると,きわめて純粋な非保存力(非保存度のパラメ-タα=0.001)を実現できることを確認した。メッシュの小さい不織布では,α=0.2サンドペ-パ-を用いるとα=0.4,また,最も滑らかな表面としてガラス板を用いるとα=0.7を実現できることがわかった。 それぞれの非保存度の非保存力を受ける柱の不安定を実験的に観察し,対応する臨界力を測定した。理論解析から,非保存度のパラメ-タαが,0【less than or equal】α【less than or equal】0.17では,柱はフラッタ-で,0.17<α【less than or equal】1.0では,柱はダイバ-ジェンスで不安定になることが予測される。実験結果を理論値と比較した結果,両者は,定性的のみならず定 柱の不安定形態の内のフラッタ-型不安定の振動形態を,鮮明なストロボ写真に撮影するため,設備備品として,2灯式高照度ストロボスコ-プ一式を購入した。この備品を用いることにより,長さ1mの試験片のフラッタ-振動形態を鮮明なストロボ写真に記録することができるようになった。 研究はおおむね当初の計画通り進捗しており,現在研究結果を整理し,論文の形にまとめて発表する準備をしている。
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