研究課題/領域番号 |
03650221
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
酒井 洋輔 北海道大学, 工学部, 助教授 (20002199)
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研究分担者 |
金子 良松 北海道大学, 工学部, 助手 (90001271)
田頭 博昭 北海道大学, 工学部, 教授 (10001174)
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キーワード | 二酸化窒素 / 放電分解 / 電離係数 / 電子付着係数 |
研究概要 |
窒素酸化物(NO_x)は、酸性雨や地球の温暖化を引き起こす源となる。これを効果的に除去する一つの方法には放電によるN_2とO_2への分解が考えらる。本研究計画は本放電の基礎デ-タである電子の衝突電離係数・電子付着係数並びに解離係数(分解速度)等を測定し、つぎに、針ー円筒、細線ー円筒、細線ー誘電体電極等の電極構造をもつ放電管を作成し、グロ-およびコロナ放電によるNO_2分解量を測定し、これらを明らかにすることであった。研究成果を以下にまとめる。 1.前年度から、NO_2をグロ-放電下で分解する研究を続け、1〜5Torr圧力のNO_2では0.5mA程度の放電を20分位続けると、80%程度分解されることが、圧力の増加、可視・紫外吸光度、ガスクロマトグラフの実験結果から明らかにされた。 2.次にNO_2ガスとこれにHeを混合したときの電離係数、電子付着係数の放電基礎パラメ-タを測定し、次のとを明らかにした。 (1)本放電を得る上で必要とする電界と20℃における圧力の比(E/p_<20>)の範囲では、電離係数は酸素、窒素分子のもつ値よりも小さい。 (2)電子付着係数は酸素のそれより大きいが、SF_6のもつ値より小い。これは、電子親和力の大きさから検討し、合理的な順序となる。 (3)実効電離係数(電離係数と電子付着係数の差)はE/p_<20>の増加とともに直線的に増加し、これが零となるE/p_<20>は100V/cm/Torrであり、SF_6の117V/cm/Torrと空気の23V/cm/Torrの間の値となった。
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