研究概要 |
本年度は次の(1)〜(5)に関する研究を行い,(1)〜(6)の結果を得た。 まず、(1)配電損失最小化問題を“単純遺伝アルゴリズム"を用いて解く手法を開発し、小規模の例題、実規模系統並びに中国電力の実系統に適用して結果を得た。次に、(2)シミュレ-テッドアニ-リング法により同一問題を解く手法を開発し、両者の結果を比較した。その結果、(1)小規模問題に対しては、シミュレ-テッドアニ-リング法と同程度の精度の解を約1/6の演算時間で得られること、(2)実規模系統に対しては演算時間は短いものの、精度はシミュレ-テッドアニ-リング法には及ばず、改良が必要であること等がわかった。そこで、(3)引続き次のような改良を行い、結果を検討した。すなわち、(i)遺伝子構成(ストリング構成)、(ii)適合関数形、(iii)交叉率、(iv)突然変異率、(v)突然変異発生ビット数、(vi)交叉点数、(vii)初期ストリングの各遺伝子座の値、(viii)異なった初期ストリング数などを変えて以下のような結果を得た。すなわち、(3)ストリング長は短い程良い結果が得られる、(4)交叉率および突然変異率は問題によって最適な値がある。ただし、交叉率は0.6〜0.8程度、突然変異率は1〜2ストリング長に1ビット程度がよい。(5)適合関数形はあまり結果に影響しない。(6)初期ストリング群には異なったものが多く含まている程良い結果が得られるが、良い結果を与えるスキ-マを多く含む程良い結果が得られる。 また、さらに、現在、(4)人工交配(良いストリング同志の交配)や、(5)適合関数値の悪いストリングが早い世代で淘汰されないような生殖操作などの改良を継続しているが、結果の整理は次年度までかかる予定である。 以上の研究成果は裏面に示すような論文として公表されている。
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