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1992 年度 実績報告書

ワイドギャップ銅カルコパイライトの気相エピタキシャル成長

研究課題

研究課題/領域番号 03650250
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

飯田 誠之  長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90126467)

研究分担者 諸橋 誠  長岡工業高等専門学校, 助教授 (90174474)
坪井 望  長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70217371)
キーワード原子層エピタキシャル成長 / 気相エピタキシャル成長 / 化合物半導体 / 自己原子配列 / カルコパイライト / 二硫化銅ガリウム / フォトルミネッセンス
研究概要

昨年度に既存の装置を改良することにより作製した金属塩化物原料と硫化水素を交互に供給することの出来る気相エピタキシャル成長装置を用い、本年度は特に原子層エピタキシャル成長(ALE)条件を明らかにすることを目指し次のような結果を得た。
1.GaAs基板については、基板のエッチングを防ぎ一様な二硫化銅ガリウム(CuGaS_2)の成長層を得るには510℃以下の基板温度が必要。
2.GaP基板上への金属塩化物(CuCl、GaCl_3)と硫化水素の繰り返し交互供給を行い、硫化水素供給量に対し単位繰り返し当りの成長層厚がほゞ一定の見なされるCuGaS_2のALE成長を示唆する結果を得た。これは金属原料二種類を同時に供給してもCuとGa原子が自己選択的にカルコパイライト構造をとるよう配列することを示していると思われる。
3.2.の際、硫化水素の供給時間の増加と共に配向性が向上しC軸配向を示す結果を得たが、これはCuとGa原子の再配列の可能性を示している。今後さらに金属原料供給量や基板温度に対しALE条件を示すかどうかを調べる必要がある。
4.上記のALE成長と思われる成長層は低温で自由励起子発光が支配的で、光学的に良質なものと思われる。
5.同時供給成長層を含むGaPおよびGaAs基板上のCuGaS_2成長層は低温でバルク結晶と共通の束縛励起子発光を示し、真性欠陥の関与が示唆される。また二種類の基板に共通でバルク結晶には見られない束縛励起子発光も存在する。これは不純物を含み本成長方法に直接関係したものと思われる。
以上のような結果は、今後ALE成長層の化学量論組成比およびALE条件よりずれた成長層の化学量論組成比を調べるなど、今後の展開につなげる必要があると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] N.Tsuboi: "Resonant Raman Scattering and Free Exciton Emission in CuGaS_2 Crystals" Physica B. (1993)

  • [文献書誌] N.Tsuboi: "Improvement in Layer Quality of CuGaS_2 by Vapor Phase Epitaxy with Metal Chloride and H_2S Sources" Proc.9th Intern.Conf.on Ternary and Multinary Compounds,Yokohama,1993. (1993)

  • [文献書誌] N.Tsuboi: "Resenant Raman Scattering and Excitonic Polariton states in CuGaS_2" Proc.9th Intorn.Conf.on Ternary and Multinary Compounds.Yokohama,1993. (1993)

  • [文献書誌] M.Yagi: "Deep Region Emissions of CuGaS_2 Crystals" Proc.9th Intern.Conf.on Terrary and Multinary Compounds,Yokohama,1993. (1993)

  • [文献書誌] M.Morohashi: "Optical and Electrical Characterization of CuGaS_2 Grown by Vapor Phase Epitaxy" Proc.9th Intern.Conf.on Ternary and Multinary Compounds.Yokohama,1993. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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