研究概要 |
現在の社会においては、新しい様々な通信手段が用いられ,急速に普及しいてる。これらの中には,移動無線,コ-ドレス電話,携帯電話,TV電話,有線TVなどがある。これらの新しい通信手段の普及に伴い,これらの手段により送受される音声や画像のセキュリティを行う必要性が急激に高まってきており、これは新しい通信手段に対する社会的要請ともなっている。本研究では,これら通信および放送における画像を主な対象として,そのセキュリティのための周波数スクランブルの研究を行った。 まず,多次元線形周期的シフト変化ディジタルフィルタ(LPSVフィルタ)は周波数特性を解析した。このために,LPSVフィルタの入出力関係を,一般的な周期性を有する単位インパスル応答と入力信号の畳み込みの形式で表し,バイフリケンシ-の概念を用いて,LPSVフィルタの周波数特性を求めた。この結果,LPSVフィルタは,入力信号に対して,周体数のシフトとフィルタリングの機能を有することが明らかとなった。・た,この機能を利用することにより,LPSVフィルタに,多次元の周波数スクランブルの能力を付加することができることが明らかとなった。 次に,2次元LPSVフィルタを設計し,標準画像(Girl,Lena)に対して,周波数領域を16分割する周波数スクランブルの実験を行った。この結果,提案手法による周波数スクランブルは,画像の情報セキュリティのために利用可能であることが明らかとなった。ただし,この実験結果から,提案手法を用いた場合には,原画象の輪郭が残存するという問題点があることも明らかとなった。この問題点の解決は,次年度の課題とした。
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