研究概要 |
下記の3種の符号化変調につき符号の選択法を明らかにした. [1]トレリス符号化 基底帯域伝送について,系列間の誤り率の上界をバタチャヤバウンドにより評価する手法により,ビット誤り率の上界を評価する式を導出した.この式は,符号誤りの状態遷移に関する一巡伝達関数で表される.そこで,任意の畳み込み符号の一巡伝達関数を自動計算するプログラムを,グラフ理論とシグナルフロ-グラフのメイソンの定理を用いて構成した. このプログラムを用いて,与えられた雑音の確率分布に対し,誤り率の上界を最小とする符号を探索した.探索した符号の特性をシミュレ-ションにより調べ,導いた探索法が有効であることを確認した. [2]多レベル符号化 基底帯域伝送について,各レベルに訂正能力が割当られた時の,交錯法を用いない場合の,ビット誤り率の近似式を導出し,シミュレ-ションによりその妥当性を検証した.次に,この式を用い,各種訂正能力配分に対する誤り率を計算し,誤り率を最小とする配分を決定した. [3]符号間干渉のあるフェ-ジング伝送路への符号化変調法を適用を考察し,マクロ的な特性評価から,通常のガウス雑音に適する符号が,ガウス雑音を受ける病記伝送路でも適することを導いた.また,シミュレ-ションにより,この符号が有効な符号化利得を実現することを示した.
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