研究概要 |
平成3年度の第1段階として、各種騒音の等価騒音レベルと心理的影響の程度が表現できる色相順序尺度との対応関係をモデル室内実験を通して検討し、各種騒音の心理的影響を共通に評価できる色相による騒音評価尺度が構成できるかどうかを検証した。その障、色相の表示方法の違いによる影響も含めて検証した。 その結果、騒音の種類によらずおおむね共通に、(1)8色モ-ド標準ディスプレイの場合(家庭用カラ-テレビに接続可能)、5色相順序尺度とL_<Aeq(5min>はよく対応すること[赤→80dB,紫→67dB,黄→54dB,緑→41dB,青→28dB]、(2)16色モ-ド高解像度ディスプレイ(コンピュ-タ専用)の場合、7色相順序尺度とL_<Aeq(5min)>はよく対応すること[赤→81.5dB,赤紫→71.7dB,紫→62dB,黄→52.5dB,緑→42.7dB,明るい青→33dB,明るい灰青→23dB]、(3)白い紙の上に置かれた色紙による場合、7色相順序尺度とL_<Aeq(5min)>はよく対応すること[赤→82dB,紫→72dB,茶→62dB,黄→52dB,薄緑→42dB,明るい青→32dB,白→22dB]などがわかった。 これらの結果から共通に言えることは、騒音から受ける心理的影響の程度によく対応する色相の基本的な配列順序は[赤,紫,黄,緑,青]であること、騒青による心理的影響がある「黄色」と心理的影響がない「緑化」を分ける等価騒音レベル(L_<Aeq(5min)>)は、色相尺度に関係なく47.5dB前後であると言えそうなことである。 第2段階として、ぞのような騒音情報表示方法が評価尺度として一番有効であるかを、現在、大学生を対象にモデル室内実験によって検討している。 中間結果として、騒音の心理的影響の程度を表現する評価尺度は、色相尺度と「うるささ」尺度の組合せによるものがベタ-であることなどがわかっている。
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