分布帰遷型半導体レ-ザ(DFB LD)について、反射戻り光により誘起されるモ-ド分配雑音の測定、及びその発生機構の計算機シミュレ-ションを行った。 1.M系列を用いたモ-ド分配雑音測定法の精度・感度向上を図った。分光器制御系を改良した結果、精度・感度共に従来の二倍にできた。 2.偏波保存ファイバを用いて反射戻り光量調節系を構成し、その反射量制御の精密化を図った。不要の反射を抑えるためにはファイバ端面の斜め研磨処理(〜8deg)が不可欠であることが分かった。処理の結果、外部反射率を1×10^<-4>〜3×10^<-2>の範囲で精密制御することが可能となった。また、室温付近での測定には、半導体レ-ザの温度制御を特に行う必要がないことが分かった。 3.四個の端面反射率非対称型DFB LDサンプルについて1.6Gbit/s RZパルス変調での測定を行った。また、比較のために、FabryーPerot型(FP LD)についても400Mbit/s RZパルス変調での測定を行った。 (1)反射戻り光誘起モ-ド分配雑音の大きさは、DFB LDサンプル毎では大きな差があるが、FP LDサンプル毎では殆ど差がないことが分かった。 (2)DFB LDでは、主モ-ドと副モ-ドの発振閾値差、及びdetuningの大きさと極性が戻り光誘起モ-ド分配雑音に大きな影響を及ぼしているとの予想が得られた。 4.レ-ト方縄式中にインコヒ-レント光注入の項を加えて、反射戻り光誘起モ-ド分配雑音の発生機構を計算機シミュレ-ションした。これにより、上記3項の(1)、(2)を矛盾無く説明することができた。
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