研究概要 |
今年度は輪郭線情報処理を主テ-マにスタ-トし,9月からはテクスチャ情報処理にも踏み込んだ。更に並行してニュ-ラルネットの応用を考慮に入れつつ,これの研究にも取り組んだ。 輪郭線情報処理については,閉曲線を等辺多角形で近似し,その取扱を容易にする方法を検討し,そのための繰り返しアルゴリズムを開発した。その際閉曲線のある種の"単調性"がアルゴリズムの収束性と密接に関係していることなど,数学的に整理した形で議論を進めた。又,与えられたディジタル閉曲線(点群)を,簡単な曲線(円,楕円など)で最良近似することも輪郭線情報処理のために重要であるとの認識から,円の検出(あてはめ)のための有効な方法を開発した。更に一般の2次曲線へのあてはめるための,繰り返しアルゴリズムも与えた。閉曲線を等辺多角形近似する際には,ある種の平滑化が有効であるので,その平滑化の簡便な方法を開発した。テクスチャの解析については,ランレングスに基づく方法と,濃度共起行列に基づく方法とを詳しく研究した。その中から共起行列に基づくものがより有効であるとの結果を得,この行列を基にした二つのグル-プの特徴を抽出し,それらの比較検討を行った。そこではBrodatzのテクスチャ画像の識別を行い,種々の工夫をすることにより,かなり高い識別率が得られることなどが示されている。更に,識別のためにニュ-ラルネットを用いることも考え,いわゆるBP法によって高い識別率が得られることも示した。 今後更に,上述の輪郭線及びテクスチャ情報の統合のために,ニュ-ラルネットの応用を検討しており,そのための学習法として,三層ニュ-ラルネットの誤り頂正学習法を開発した。これの具体的応用を次年度は研究していくことにしている。
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