ソフトウェアの多様化・複雑化・大規模化に伴い、その開発コストの増大が大きな問題となっており、これを解決する方策の研究が急務となっている。本研究所では、高度通信ソフトウェアに焦点を絞り、プロトコルの設計から高度通信ソフトウェアの自動生成、さらには相互接続試験のためのテストスィートの自動生成を一貫して支援するシステム(これを、知識型自動生成システムと呼ぶ)の開発を目的とし、開発コスト増大の問題の解決に取り組んだ。このため、我々が過去長年にわたって研究を行ってきた通信ソフトウェア開発の方法論をベースにし、最新の知識処理技術やヒューマンインタフェース技術と有機的に融合させ、システムの利用者にとって極めて使いやすく、また開発のしやすい効果的な新しい開発環境を構築した。このようにプロトコルの設計から高度通信ソフトウェア、テストスィートの自動生成を一貫して支援し、また利用者にとって効果的な利用法を備えた支援環境の構築に関する研究は、従来にない新しい研究であり、高度通信ソフトウェア開発の生産性と通信システムの相互運用性を飛躍的に向上させる端緒になると考えている。
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