研究課題/領域番号 |
03650308
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
江島 俊朗 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (00124553)
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研究分担者 |
大橋 健 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (00233239)
吉田 隆一 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70200996)
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キーワード | 文字認識 / ニュ-ラルネット / 学習 / 汎化能力 / BPモデル / 並列分散 / ファジィ / パ-セプトロン |
研究概要 |
平成3年度では、我々が新しく提案した並列分散モデルFPM(Fuzzy Partition Model)の性能評価実験を印刷英数字の認識実験覚をとおして行った。 代表的なニュ-ラルネットワ-クであるBPモデル(多層構造のフィ-ドフォワ-ド型パ-セプトロンであり、1986年ランメルハ-ト氏等により提案されたバックプロパゲ-ションという学習アルゴリズムが適用できるモデル)を一般化した新しい並列分散型モデルであるFPモデル(Fuzzy Partition Model)を提案し、パタ-ン認識の一つである印刷英数字の認識に適応しその性能評価を行った。性能評価は、学習に費やされる時間、認識率、及びそのハ-ドウエア化という観点から調査研究した。印刷英数字の認識実験の結果、FPMは従来法に比べて学習時間、認識率の点で特に優れていることが判明した。特に、学習時間は1/5から1/10近く短縮された。さらに調査を続けた結果、学習時間の優位性の理論的な説明づけが可能になった。すなわち、FPMのモデルの学習時間の評価関数としてカルバックダイバ-ジェンスを適用しているが学習時間の短縮に貢献している事が判明した。また、パタ-ン認識に重要な汎化能力はネットワ-クを決定するパラメ-タの個数だけでなくそのネットワ-クで表現できる関数の複雑さにも依存すりことが分かった。表現できる関数の複雑さが同じならばパラメ-タの固数が多い方が汎化能力が高い。 最後に反省事項としては、帰納的学習の導入による認識率の向上という観点から、研究をすすめてきたが、必ずしも認識率の向上につながるものと言い切れない場合があることが判明した。帰納的学習の功罪についての調査が不十分であった。
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