(1)栽培溶液である磁性流体の濃度が高くなるに従って、発芽数は低下することが明らかになった。更に、磁性流体の濃度が1〜3%程度での発芽数は、一般に行われる水による栽培での発芽数の基準となる85%に匹敵する結果が得られた。磁性流体の濃度が4〜5%においては発芽数が低く、発芽に作用する植物ホルモンの影響が考えられる。 (2)光学顕微鏡観察、化学分析、双方の結果からカイワレダイコンは磁性流体を吸収することが明らかになった。試料の鉄含有量は根ざし、茎ざし共に磁性流体の濃度の上昇と共に、増加傾向を示すことが明確となった。 (3)磁性流体を葉の表面に塗り付けた場合、塗り付け後、約3ヵ月程度なら、生育には影響を吸ぼさないと思われる。この方法で植物に磁性流体を印加させることは、他の方法と比べ比較的手軽であり、また、透磁率の低い磁性流体を希釈せずに原液のまま使用できるという点で、磁気的な測定を行なう場合にも都合がよいものと期待できる。
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