研究概要 |
本研究は適応機能や学習機能を持つようなインテリジェントな制御系の設計法ならびに安全性維持のための方策をロバスト適応制御理論から探る研究である。本年度は論理のアナログ化の有効性と神経回路網の学習アルゴリズムのロバスト適応制御方式からの見直しを研究課題として進めてきた.この両者は密接な繋がりがあり解析手法には,いずれもロバスト適応制御で用いられる手法が有効なことが判明した.論理のアナログ化については,順序論理回路の状態推定を米国で開催されたIECON'92(1992年11月)で国際的に公表し,高い評価を得た.このシステムをロバスト適応制御方式から見直すことで全体の系の有界性と推定誤差の存在領域を明かにできた.この結果を元に来年度は推定アルゴリズムを見直し,論理のアナログ化を用いた動的システム解析の基礎を確立する.これにより,論理と連続量が混在するインテリジェントなシステムの安全性を含む挙動を解析することが可能である. 一方,神経回路網の学習則の解析も,同様に行なわれることが判明し,日本応用数理学会年会(1992年10月),自動制御連合講演会(1992年11月)で推定値の有界性,収束領域などの解析結果を発表した.これを踏まえ,二つの国際会議(IEEE Workshop on Neuro-Fuzzy System,IECON'93)での発表を予定している. 以上二つの研究は,アナログ量と論理値が混在するシステムの特性解析というインテリジェントシステムの理論の基本へと収束しつつある.
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