研究概要 |
本研究はインテリジェント制御をシーケンス制御とフィードバック制御の融合ととらえる。具体的にはファジィ、ニューロ技術で用いられている論理のアナログ化機能を用いて論理部分を連続値化し、融合部分を連続値の動的システムとして記述する。このシステムを制御理論の観点から見直して、全体の挙動の設計や安全性の解析に役立てることを目的としている。 昨年度までに、論理のアナログ化と制御理論との組み合わせが有効であり、論理回路に対する観測器を制御理論の観点から設計できることを示した。本年度は、これらの連続値されたシステムの解析手法の確立を目指し、適応制御理論で構築されたロバスト適応制御則の解析手法を、このインテリジェントシステムの特性解析に導入した。この結果、神経回路網などの推定値の有界性が保証できる学習則をロバスト適応制御則のデッドゾーン型およびシグマ修正型を用いて示すことができることを明かにした。これらの成果は、三つの国際会議(IEEE Workshop on euro-Fuzzy System,ETFA'93,IECON'93)で報告した。また、ここで考えるインテリジェントシステムとAI、ファジィ、ニューロ、および適応技術の関係を二つの学会誌(計測と制御、システム/制御/情報)に発表した。 これらの啓蒙の成果もあり、本研究の成果を、電気学会次世代原子力システム制御技術調査専門委員会、計測自動制御学会ロバスト制御シンポジウム、計測自動制御学会学術講演会オーガナイズドセッションなどで講演するように招待されている。また、電気学会誌への寄稿も要請されている。 以上、この3年間の研究期間の間に、一定の成果をおさめたが、論理とアナログの融合は制御に留まらず次世代へ向けた重要な課題であり、さらに研究を続ける必要がある。
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