本年度は、以下の点について研究を進め、新しい結果を得ることが可能となった。 1.組合せ論的最適化問題を効率的に解くための、自己組織化の一つの形態である遺伝的淘汰現象を取り入れた最適化手法を開発した。 2.組合せ論的最適化問題であるVLSIの配置問題の一つであるフロア-プランに開発手法を適用した。簡単な例への適用において有効性が示された。 3.自己組織化を取り入れる場合、二つの立場がある。一方は、対象を評価関数を用いた最適化問題としてとらえ、その最適化のための分散型確率的手法の中に自己組織化性を取り入れること。他方は、対象問題の最適化を直接自己組織化的学習法を用いて解くことである。 (1)前者については、現在研究を続行中であるが、何を組織化の対象とするか非常に難しい問題点が明かとなった。 (2)後者については、その基礎的な過程として学習オ-トマトンや平均場理論を用いた学習法について有益な結果が得られた。 4.上記の各々の手法を簡単な実デ-タあるいはそれに近いものへ応用した。 5.シミュレ-ションの結果を整理して、今後大規模な実デ-タに適用する方針を議論した。 来年度は、上記1〜5の新しく得られた結果をふまえ、一層の研究の発展を計る。
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