| 研究概要 |
本研究は,1台のビデオカメラにより,フォーカスを種々連続的に変化させて画像を撮像し,それらの多数枚の画像から距離を計測する単眼視・可変フォーカス画像による3次元計測システムを構築しようとするものである。すなわち,視野内の各位置までの距離を計測するために,複数枚の画像を用いて合焦点位置の計測を行い,求められた各焦点位置の情報から,3次元距離画像の作成,3次元形状の計測など3次元環境把握を行う簡便な手法を開発しようとするものである。得られた成果の概要を以下に記す。
1.ボケ量評価手法の開発合焦していない2枚の画像間でボケ量の差を画像系列から求める手法を開発し,このボケ量を用いることにより,ボケ画像上の各画素の焦点位置の推定を行う新しい手法を開発した。
2.3次元形状(距離)画像高精度計測手法の提案と実験評価多重画像から求められた多重合焦位置を,各画像ごとのボケ量を考慮した重みをつけることで,信頼性と精度共に向上した1枚の距離画像を作成する手法を開発した。上記の結果を用いて簡単な形状の3次元計測実験を行い,単眼カメラシステムによる計測としては,これまでの各種の研究結果に比べて,精度のよい計測が可能であることを明らかにした。
今後,撮像枚数をより多くすることで奥行き方向の距離精度を向上させるため,データの取得法などの自動化を含めての検討が必要であろう。
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