磁場空間のコントロールという観点から本研究を遂行し、次の結果を得ることができた。 (1) 制御用の因子として、次のものが挙げられる。 a.渦電流場による反抗磁界の利用 b.永久磁石の利用(特に永久磁石は、保磁力の大きいものと、残留磁化の大きいものの2種類に大別できることから、前者を反抗磁界用に、後者をスイッチング用として、磁束の流れを変更するものとして利用できることを見い出した。) (2) スリット付きの導体板を交流磁場中にそう入することにより、凸レンズ効果が得られる。又逆に、スリットを付加しないと、凹レンズ効果が得られる。 凸レンズ効果は、強磁場を獲得でき、凹レンズ効果は、磁気シールドに道を開くものである。 (3) 残留磁化の大きい磁石材料の着磁方向を切り換えることにより、磁束線の流れを自在に変更することができる方法を確立することができた。 以上の成果は、リフティングマグネット、高磁場電磁石、磁気ブレーキ等に応用することができる。今後はさらに応用の方面に発展させていきたい。
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