研究概要 |
1.間欠流実験装置による乱流計測 全長12mにわたる直鉛管流路をの入り口にピストンを装着し,ステップロッドを用いて間欠流を発生させた。管軸方向の観測位置は,管入り口より,2m,4m,6m,10mとした。また,管半径方向の観測位置は管中心軸上と壁から1mm離れた点の2点である。実験装置の大きさなどから常時装置をセットしておくことができないため,まず,いくつかの条件設定のもとで十分な量のデ-タを計測し,解析はオフラインでおこなうこととした。 2.確率過程の相関時間と等価帯域幅 乱流解析に必要な概念としての,パワ-スペクトルの等価帯域幅及び相関時間の確率論的な意味について検討を行った。その結果,従来から確かな根拠無しに提案されていた種々の相関時間や等価帯域幅に対し,確率過程論的に確かな意味を持つ自由度の概念から,何種類かの相関時間と等価帯域幅が自然に導かれることを示し,これらは従来個別に提案されていたものの中のいくつかと対応することを示した。 3.相関時間・等価帯域幅の乱流における物理的意味 2で示されたもののうち,1次相関時間と呼ばれるものは,従来の乱流論におけるマクロスケ-ルと対応することがわかり,乱流の渦の大きさの推定の問題を理論的に評価することが出来るようになった。また,新たに導入された2次相関時間は,乱流関時間は,乱流運動エネルギ場におけるエネルギ塊の大きさを示すものと考えることができること,またその逆数に対応する2次等価帯域幅は,乱流の乱雑性を示すものと考えられることなどの知見を得た。
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