研究課題/領域番号 |
03650388
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研究機関 | 大同工業大学 |
研究代表者 |
事口 寿男 大同工業大学, 工学部, 教授 (60047305)
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研究分担者 |
酒造 敏廣 大同工業大学, 工学部, 助教授 (90137175)
水澤 富作 大同工業大学, 工学部, 助教授 (60113081)
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キーワード | 疲労 / 腐食 / 電気化学 / 亀裂進展速度 / 海洋ケ-ブル |
研究概要 |
湿式腐食が電気化学反応であることに着目し、腐食速度と電気化学に関する文献を収集・整理した。JIS5号引張試験片(SS41)を用いて、単一引張部材の大気中における疲労実験、ならびに、新たに考察した腐食セルをセットし、腐食環境下(3%食塩水、空気飽和)での疲労実験を数多く行った。これより、以下のことが明らかになった。 (1)電気化学的手法を用いると、湿式腐食の環境に応じて、短時間で腐食速度を求めることができる。(2)腐食疲労強度は、腐食と疲労の相乗効果により、許容応力度レベルを下まわる場合がある。(3)腐食疲労による試験片の破断面は、空気中のそれに比べて、脆性破面の占める割合が大きく、低応力になるほどその傾向は著しい。(4)ケ-ブルの疲労実験を始めるに先立ち、ケ-ブルの力学的挙動を調べるために、流体力を受けるケ-ブルの動的挙動と題し、平成3年3月構造工学論文集に発表した。(5)BS5896に規定されたより鋼線を用いて、空気中、および腐食疲労実験を行っている現状である。 平成3年度の反省点として、つぎのものがあげられる。 (1)腐食液中における疲労実験で、単一素線の場合は、腐食セルが容易に作成できたが、鋼撚り線の場合、撚り線中の1本が切れた場合、セル中の液が漏れるため、現在セルの構造のを改良に時間を要した。 (2)ケ-ブルの腐食疲労における亀裂進展速度(亀裂進展速度とΔKの関係)を考察したいため、腐食セルの内でも、亀裂長さが測定できるクラックメ-タを購入したが、電位を測定するセンシングコ-ドが腐食セル内で腐食し、結果にバラツキが生じ、これを解決するのに多くの時間を要した。(3)このクラックメ-タの精度を、腐食環境の内で、確認するため多くの校正曲線を求める必要があった。 これらの反省点を踏まえて平成4年度の研究を遂行するものである。
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