研究課題/領域番号 |
03650397
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎・土質工学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
安原 一哉 茨城大学, 工学部・都市システム工学科, 教授 (20069826)
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研究分担者 |
佐藤 研一 茨城大学, 工学部・都市システム工学科, 助手 (20235336)
兵動 正幸 山口大学, 工学部・社会建設工学科, 助教授 (40130091)
三村 信男 茨城大学, 工学部・都市システム工学科, 助教授 (60133089)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 波浪 / 繰返し荷重 / 粘性土 / シルテーション / 圧密 / 拡散方程式 / 間隙水圧 / 安定解析 |
研究概要 |
本研究では、波浪の繰返し作用を受ける、シルト、粘土やコロイドを含む粘性土から構成される海底地盤の挙動を説明するとともに、工学的な問題を解決するための手法を見いだすことであった。研究の対象とした具体的な海底地盤とは以下の2つについてである。 1)沈降・堆積・圧密のいずれかの過程にある底泥で構成された極めて若い粘性土地盤 2)自重圧密が終了した地盤、あるいは、堆積後十分に時間が経過したいわゆる正規に圧密された粘性土地盤 前者における最も重要な問題は、波浪による巻き上げ・輸送・沈降の過程における港湾汚染(シルテーション)であり、このメカニズムを土質力学の基本原理である有効応力の立場から明らかにすることによって、その予測と対応策が明らかにされることが期待される。これに対し、後者での問題は、波浪の繰返し作用による海底地盤の地滑りや液状化、あるいは、構造物を媒体とした基礎地盤の安定と沈下である。これらはいずれも有効応力の立場から解明することが期待されるが、そのためには、波浪の作用下での間隙水圧の挙動を予測することが必要である。 このような要請に対し、3年間にわたって研究を行って得られた主要な成果は以下の通りである。 1)沈降項を含んだ間隙水圧に関する拡散方程式を基礎にして、波の作用下における底泥の濃度(間隙比)分布を評価する数値モデルを構築した。波と底泥の相互作用は巻き上げフラックスの中に取り込まれている。種々の初期条件を設定して数値計算を行った。その結果、実験室でみられるようなシャープな海面を複数持つ濃度分布は十分再現できなかったが、ある程度の近似は可能であることが分かった。 2)間隙水圧に関するTerzaghi型多次元圧密理論と繰返し三軸試験結果を定式化した実験式を組み合わせることによって、波浪のような繰返し荷重を受ける粘性土の非排水及び部分排水時の間隙水圧挙動を予測し得るモデルを確立した。次いで、このモデルを用いて、荒天時における防波堤下海底地盤の間隙水圧とひずみ分布及びこれに基づく沈下と支持力低下も予測し得ることが分かった。
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