研究概要 |
平成3年度の研究実績は以下のとおりである。 1.側方拘束型中圧圧密試験器の設計および製作を行った。今回製作した試験器の特徴は,1)直径6cm,高さ2cmのリング型拘束装置により側方変位を拘束する。2)供試体の飽和のための背圧の付加が可能である。3)供試体の体積変化および過剩間隙水圧の測定が可能である。4)最大50kg/cm^2の荷重の載荷が可能である。以上の4点が挙げられる。 2.本研究では研究の対象を大深度海底粘土に絞ることとした。このため,大深度海底地盤から採取された不撹乱試料の収集を行った。特に,同一ボ-リング地点において深度方向(深度約60m〜130m)に連続した不撹乱試料が得られた。 3.収集した試料を用い,標準圧密試験および長期圧密試験を行った。試験結果を用いることにより,対象試験の不縮変形特性および長期圧縮特性の把握に努めるとともに,弾粘塑性構成式のパラメ-タの決定を試みた。 4.収集した試料に対し,ミニ3軸圧縮試験機および中圧ミニ3軸圧縮試験機を用い,圧密非排水三軸圧縮試験および圧密非排水クリ-プ試験を行った。試験結果を用いることにより,対象試験のせん断変形特性および時間依存的せん断特性の把握に努めるとともに,弾粘塑性構成式のパラメ-タの決定を試みた。 5.3.および4.において決定されたパラメ-タを,松井・阿部らによって提案された正規圧密粘土の弾粘塑性構成式に適用した。シミュレ-ション解析の結果,本研究において決定されたパラメ-タの妥当性が確認された。
|