平成4年度の研究実績は以下の通りである。 1.試作した定ひずみ圧密試験機を用い、大阪湾から採取された洪積粘性土の圧縮特性について検討した。標準圧密試験から得られる圧密特性と比較して、データが連続的に得られることからよりより詳細な圧密特性が検討できることが示された。また、バーランドらによって提案された、粘性土の物理特性によって決定される基準圧密曲線の存在が示唆された。 2.中圧ミニ3軸圧縮試験機を用い、大阪湾から採取された不攪乱洪積粘性土のせん断特性について検討した。また、練りかえし再圧密試料のせん断特性と比較・検討した。その結果、不攪乱試料は年代効果の影響により、再圧密試料より同一の間隙比に対して大きな最大軸差応力を持つことが分かった。また、間隙指数および液性限界の間隙比を用いることにより、正規圧密領域における粘性土の非排水強度が統一的に示されることが分かった。 3.ミニ3軸圧縮試験および圧密試験を用いた粘性土の力学パラメータの決定法について提案した。また、得られた結果を用い、埋立人工島の一次元圧密解析を行った。その結果、妥当なパラメータが得られていることが分かった。
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