研究概要 |
近年,我国ではウォーターフロント開発がめざましく,臨海埋立地や沿岸埋立人口島の建設がさかんに行われているが,一方では,埋立造成地盤の残留沈下,側方変形に起因する構造物被害が顕在化している。このため,埋立造成地盤の残留沈下と側方変形を的確に予測し,確実な対策をこうじること重要となってきている。本研究は,大規模埋立人口島の多次元残留変形機構を解明し,その結果に基づいて残留沈下・側方変形の予測手法とその防止工法を確立することを目的として,平成3年度〜平成4年度にわたって実施された。本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 (1)有限要素法による埋立人口島の数値シミュレーションを実施し,その結果と実測挙動から,大規模埋立人口島の多次元残留変形機構を明らかにした。 (2)残留沈下・側方変形特性に基づいて,大がかりな解析を行うことなく埋立人口島の残留変形,特に残留側方変形を予測するための簡易予測手法を提案し,その適用性を実測挙動,数値シミュレーション結果により明らかにした。 (3)埋立人口島の多次元残留変形機構に基づいて,残留変形を低減するための埋立人口島造成工法を提案し,これらを実際の埋立人口島造成に適用した場合の数値シミュレーションを実施し,その有効性を検討した。
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