研究課題/領域番号 |
03650409
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
村田 秀一 山口大学, 工学部, 教授 (80044618)
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研究分担者 |
安福 規之 山口大学, 工学部, 助手 (20166523)
兵動 正幸 山口大学, 工学部, 助教授 (40130091)
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キーワード | 杭の支持力 / 先端支持力 / 砂質土 / 空洞膨張圧 / 応力ひずみ関係 |
研究概要 |
本研究は、構造物支持地盤の圧縮性の違いとその変形挙動の拘束圧依存性を考慮できる簡便な支持力評価手法の確立とそのシステム化を目的としたものである。平成3年度に得られたことをまとめると以下のようである。 1.圧縮性の違いが砂質土の応力ひずみ関係に与える影響をまず明確にするために、主として2種類の砂質土、つまり脆弱な土粒子からなるカ-ボネイト砂と堅固な土粒子からなる秋穂砂を対象に、拘束圧を種々変えた三軸圧縮試験を実施した。この結果から破砕性(圧縮性)の卓越したカ-ボネイト砂の特色をまとめると、(1)内部摩擦角の拘束圧依存性は秋穂砂のそれに比べて著しく大きいこと、(2)拘束圧4kgf/cm^2以下での内部摩擦角は秋穂砂に比べて平均で5°程度大きいものの、そのせん断剛性は秋穂砂に比べてかなり小さいこと、(3)圧密せん断過程における圧縮性も秋穂砂に比べて卓越していること、等が明らかとなった。 2.砂質土の応力ひずみ関係の拘束圧依存性を良好に評価できる構成式の作成と検証を行った。具体的には2.で得られた知見を基に、等方硬化型の弾塑性構成式を変形解析に適用できる一般的な形で誘導した。また、構成式に含まれる定数の決定手法を示し、その有用性を三軸試験との比較により検証した。 3.現有する模型土層を用いてカ-ボネイト砂と秋穂砂を対象に杭の支持力実験を種々の上載圧の下で実施した。これにより、(1)いずれの材料の支持力も上載圧に対して非線形的であること、(2)ドッグベイ砂の内部摩擦角の方が秋穂砂のそれより大きい値であるにも関わらず、カ-ボネイト砂の支持力は秋穂砂のそれよりも小さくなること、(3)杭の支持力を評価する場合、従来の強度特性のみを考慮する手法では十分ではなく、材料の圧縮性を取り入れることが重要であること、(4)その場合、破壊モ-ドの仮定の仕方が重要であること、等を明確にした。
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