研究概要 |
1.資料収集に関しては,すでに,1960年チリ地震,1964年アラスカ地震,1990年マリアナ海溝地震に関する資料は終了した.さらに4年度には検討対象として最新のデ-タが整備されている1983年の日本海中部地震を新たに取り上げて収集を実施する. 2.数値計算による不均質性効果の評価に関して,初期段階として海底地形効果が入らない水平床での検討を新しいインバ-ジョン方法の開発とともに行った.インバ-ジョン方法には,線形重回帰モデルによる最適化の方法を反復はぎとり方法があり,両者の適用性を比較検討した.来年度に,破壊開始時間の違いを考慮した非ブロック型の津波波形インバ-ジョン手法を開発する.従来のインバ-ジョン手法はブロック型の単位変動量を与えて解析しているが,このブロック型の形状は津波の伝播計算の精度を低下させる危惧がある.そこで単位変動量を滑らかなものとし,かつ線形重ね合わせも容易に出来る形状とする. 3.1990年マリアナ海溝地震津波の解析に関しては,海底津波計記録及び周辺海域での検潮記録の整理し,これらの波形を説明できる波源モデルを提案した.特に海溝に沿った地点での波形の変化を実測値と数値計算値を比較し,分散効果に問題があることを指摘した.その結果は海岸工学論文集第38巻にまとめられている.アメリカのNOAAからデ-タも入手できる予定があり,さらに解析を進める.
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